
少し前の話になりますが、3月30日の昼休み、桜を撮ろうと思って
弘明寺公園に行ってみました。
曇り空の上、風がすごく強い日で、桜を撮るのはあきらめてまだ行った事の無かった公園の奥の方へ進むと
「中里温泉」という立て札が!
ここは横浜市南区の市街地です。

立て札に従って道を折れると鬱蒼とした竹藪を下る細く暗い道が続いています。
僕と同じように興味を引かれた老婦人が道の先に進もうか迷っておられました。

細く暗い竹藪の中の道をどんどん下っていくと
先ほどの老婦人の連れの方が先へ進むのをあきらめて引き返してきました。

不安な気持ちでどれほど暗い道を下ったでしょうか、
♪行きはよいよい帰りは怖い♪などというこわい歌が頭に浮かんできた頃、木立の間に古めかしいお宿の屋根が見えました。

窓もサッシではなく木枠の古めかしい落ち着いた二階建ての宿でした。
梅がひっそりと咲いています。

きれいに掃き清められた玄関。
なにか自分が隠れ里に迷いこんだような気になり、
せっかくだから温泉に浸からせてもらおうと思い玄関の引き戸を開け「ごめんください」と呼びかけたものの宿の中は人っ子一人いないような感じで静まりかえっていました。

ふと我に返り、こんなところで風呂に入っていたら1時までに会社に戻れなくなると思い
あわてて帰り道を探しましたが、どうしても帰り道が見つからないのです。
その動揺で写真も手ブレしています。
もう現世に戻るのはあきらめて、この隠れ里のような静かなお宿で下男となり、湯船を洗ったり、落ち葉を掃きながら余生を暮らそうかと思っていたところ…

麓側の入り口にまろび出てしまいました。
こうして見ると、何の変哲もない普通の落ち着いた温泉旅館の入り口です。
自分はキツネにでも騙されていたのでしょうか?

ほうほうのていで京急弘明寺駅に辿り着きました。
来た電車にとび乗り、見事1時には会社に戻る事ができました。
わずか一時間にも満たないプチ旅行でした。
今思い出してもまるで夢の中の出来事だったように思えるのです。
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